脚つりおさらば！特製オリジナルジェルの作り方
暑い中運動していると必ずと言ってもいい程起こる問題、筋肉の痙攣(攣り)ですね。
私も以前は良くバイクやランで脚が攣っていました。
しかし補給を見直し、今回紹介するオリジナルジェルを使用し始めたら、一度も痙攣しなくなりました。
“攣り”とは脳からの信号に対して筋肉が過剰反応してしまった状態ですが、原因はまだ科学的に証明されておらず、確実な予防、処置はまだありませんが水分や電解質の不足が原因と言われています。
今回は電解質不足になることを防ぎ、僕自身、使い始めて筋肉が痙攣しなくなった特製ジェルの紹介をします。
とにかく塩分が大切！
汗を舐めたことがありますか？夏に滴り落ちた汗が口に入った経験があると思います。
汗はかなりしょっぱいですよね？それだけ汗にはナトリウム（塩分）が含まれているということで、そのたっぷりの塩分が汗として夏は体から出てしまっています。
塩分補給のために「スポーツドリンク飲んでるよ」と言う方、スポーツドリンクのナトリウム量を知っていますか？100mlあたりおよそ40mgです。
100mlあたりナトリウム量40gのスポーツドリンクを500mlで計算すると、食塩相当量は0.5g、1Lで1gとなります。
ナトリウム量から食塩相当量へはこのサイトから簡単に計算できます。
ではこの食塩相当量はどの程度なのかというと、熱中症や脱水症状のとき使われる経口補水液は1L当たり3gの食塩が加えられています。
さて、スポーツドリンクで塩分は足りるでしょうか？
スポーツドリンクだけで塩分補給しようとすると、塩分に対し水分の割合が高すぎて体内の水分が多くなってしまい、体内の塩分と水分のバランスを保とうと水分を排出していまい、体の水分量が減少して脱水症状になってしまいます。
これに関しては大塚製薬のページが分かりやすく書かれていますが、その中でこう書かれています。
長時間運動を続ける場合には、ナトリウム濃度をやや高くすることが必要です。トライアスロンなど長時間の運動では、血液のナトリウム濃度が低下して、熱けいれんが起こることが報告されています。
なので運動中は体内の塩分量にゆとりをもたせた補給方法が必要ということになってきます。
そうなると、スポーツドリンクでは到底足りません。
塩飴や塩タブレットも雀の涙程度の塩分しか補給できないので気をつけましょう。
オリジナルジェルの作り方
僕が使い始めて筋肉の攣りと無縁になった、オリジナルジェルの作り方をご紹介します。
用意するもの
ウルトラミネラルタブレットは本来、水に溶かして電解質ドリンクとして使うものだが、今回はジェルに加える塩分をこのタブレットから利用する。
ウルトラミネラルタブレット1粒でナトリウムを325mg、食塩相当量で0.83g摂取することができる。
ただ単にマルトデキストリンに食塩を入れてもいいが、そうすると塩辛くてとても飲めたものではない。
ウルトラミネラルタブレットは豊富なナトリウム量と、グレープフルーツの味が加えられているので、ジェルにした時飲みやすくすることができるので今回のオリジナルジェルにはとっておきの製品です。
マルトデキストリンは市販のジェルに使われている主材料で、糖です。
100gあたり400kcalと非常に高カロリーで、糖質以外含まれていないので無駄がありません。
糖質には単糖類、二糖類、多糖類と数種類ありますが、二単糖は砂糖のようなもの、多糖はお米など、食材に含まれる糖質で、物質の構成が違います。
二単糖は糖が2つ繋がった物ですが、シンプルな分、吸収が早いのが特徴です。しかし吸収が早い分、血糖値の上昇も急なので、運動中の補給には向きません。
一方多糖類は糖がいくつも繋がった形で吸収までに時間はかかりますが、血糖値が緩やかに上昇するため、運動中の補給に最適です。
そしてマルトデキストリンは多糖類を粉末化したもので非常に水に溶けやすく、砂糖に比べ甘さが弱いので濃く作る必要のあるジェルには最適になっています。
ボトルはジェルを入れるための容器になります。
バイクボトルの他にソフトフラスコに入れてもいいですが、何本か必要になるので、距離によってバイクボトルかソフトフラスコかを使い分けてもいいと思います。
作る量を決める
僕はこのジェルをバイクで使っているので、バイクのときに必要なエネルギーを計算して、作るジェルの量を決めています。
今回紹介する量はあくまで僕の基準で、走る速度や、その人の筋肉量によって必要量は変わってくるので、実際に練習やレースで使ってみて、自分に最適なエネルギー量を決めましょう。
僕の場合、バイクを50km走るのに最低400kcalは必要になります。
マルトデキストリンは100g400kcalなので150km走るとすると300gのマルトデキストリンが必要になります。
そして50km走るのにウルトラミネラルタブレット2粒分のナトリウムを取らないと塩分不足の症状が出るので、これも150kmで計算すると6粒必要になります。
この量でジェルを作るとこうなります。
作り方
マルトデキストリンを溶かした物にウルトラミネラルタブレットを溶かせばジェルはできますが、ジェルのように水分を少なくして作るにはコツがいります。
まずウルトラミネラルタブレットは水に入れるとシュワシュワと入浴剤のように発泡し、水に溶けますが、先にマルトデキストリンを水で溶かしてそこにウルトラミネラルタブレットを入れても水気が足らず溶けません。
そのため必ず最初に水にウルトラミネラルタブレットを溶かし、その中にマルトデキストリンを加えましょう。
ロングの場合、バイクが180kmになるIRONMANだとマルトデキストリンを400g以上必要とするので、そうなるとバイクボトルに必要分詰めるために極力溶かす水を少なくする必要があります。
僕が試した結果、マルトデキストリン400gに対し、水300mlで溶かすことができました。
しかし当日すぐには溶けないので、レースの前日に仕込んでおく必要があり、気をつけよう。
もし現地で水の量を正確に図りたければ350mlの空ペットボトルに事前に水を加え、水量のメモリを引いておくと、現地で調合しやすいです。
またマルトデキストリンの持ち運びは、レース会場にジップロックに入れ持っていくのは、荷物の鋭利なものがあたって破けたりしないか心配になので、僕は空のペットボトルを利用して持ち歩いています。
おすすめはevianの750mlのペットボトルで、400gちょっと入れることができます。
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使い方
僕はこのジェルをペースや時間は気にせず、距離で補給する量を決めていて、20km間隔で均等に飲めるように補給しています。
もしガーミンウォッチがあれば、決めた距離ごとにアラームをかけることができるので、補給し忘れ防止になるのでおすすめです。
そしてこのジェルを使う場合はドリンクは水だけにしよう。スポーツドリンクや、電解質の含まれたドリンクにしてしまうと体内の塩分量が増え過ぎてしまい、体内の水と塩分のバランスを保とうと、喉が乾きやすくなってしまう可能性があります。
濃ゆ〜いラーメンを食べたあと、お冷が止まらなくなるのと同じ理屈です。
経口方法ですが僕の場合はダウンチューブのボトルをジェル用にしています。
ドリンクボトルは前と後ろに1本ずつ。IRONMANでもドリンクの補給をうまく行えばドリンクボトルは2本で足ります。
ボトルが少ないほうがバイクが軽くなって有利になりますからね。
ただこの辺りは好みがあるので自分の使いやすいセッティングにしてみてください。
このジェルを使い始めて脚の痙攣とは無縁になれた。
冒頭にも話したとおり、このジェルにし始めて、練習やレースで筋肉が痙攣することが無くなりました。
そしてこのジェルにすることで痙攣防止の他に、メリットが2つあります。
1つはエネルギー（糖質）とナトリウムを一度に摂ることができるということ。
ボトル1本でエネルギーとナトリウムを補給できるので、たくさん補給食を持たなくて済むし、糖質とナトリウムを同時に摂ることで水分の吸収を高める効果があるので補給効率が非常に高いです。（こちらも大塚製薬のページに書かれています。）
糖を含んだ飲料が推奨される理由としては、腸管での水分吸収を促進することが挙げられます。主要な糖であるブドウ糖は、腸管内でナトリウムが同時にあると速やかに吸収されます。そしてそれらに引っ張られ水分も吸収されるというのがそのメカニズムです。
そして少量で高エネルギーなので、胃への負担が少なくなります。
必要カロリーを摂る為に補給が多かったり、固形だと胃への負担が大きく、長距離や過酷な環境だと食べられなくなったり、消化不良を起こして下痢や、嘔吐につながることが多いです。
でもこのジェルなら200km分のエネルギーで作ったとしても650mlのボトル一本分で済むので、消化器官への負担を減らすことができます。
さいごに
ここで紹介した量は僕の場合ということをお忘れなく。
人によって必要になるナトリウム量やカロリーは違うのでこれを鵜呑みにしてレースで使ったりせず、自分に合った配合を見つけてみてください。
なので夏場の練習が結構大切です。真夏の練習は暑くてペースも上がらないし楽しくないかもしれませんが、実験には最適です。
あと、このジェルにしてもオーバーペースで突っ込んだら攣りますよ（笑）
攣りそうになったらペースを落としたりコントロールする技術も必要なのでそれも合わせて練習や、レースを振り返ってセルフコントロールを身に着けてみてください。
