クロールを覚えよう!バタ足編
僕は3種目とも未経験の状態からトライアスロンを始めました。
そこで一番ネックになったのがスイム、息を限界まで我慢しながら50m泳ぐのがやっとで、1本泳いだら休憩しないとだめなほど…
それでも今、こうしてトライアスロンをやっています。
このシリーズでは、僕がクロールを泳げるようになるまでの実体験を交えながら、手順を紹介していきます。
100m泳ぐのも無理!最初はそんな状態!
トライアスロンを始めようと思ったのは、レースデビューする前の年の夏。
その頃は漠然と市民プールへ行き、クロールなのかよくわからない泳ぎでなんとなく泳いでいたけど、刻一刻と日にちが過ぎて、気づけば暮れになってしまいました。
まだ100m泳ぐのが辛くて、我慢して我慢してなんとか泳ぎ切るといった感じ。
デビュー戦は翌年の5月で「これじゃ間に合わねぇ!」と思ってジムに通い、そこのプールでコーチを付けて泳ぎの練習をし始めました。
僕が行ったのは30分のマンツーマンレッスンで、1回2500円。
安くはないけど、全く泳げない僕が泳げるようになって、5月のデビュー戦に間に合わせるにはマンツーマンで教えてもらうしかないと思って、週一回マンツーマンレッスンを入れ、その他に平日1回、休日1回、計週に3回はプールに通いました。
このシリーズでは1つ1つ、クロールを泳げるようになるために段階を踏んで紹介していきます。
まずはクロールの基本、バタ足から。
ただ、紹介すると言っても水泳は普段の世界とは別世界!
自分の動きを確認して、動作を煮詰めていくには僕のようにマンツーマンで誰かに見てもらうのが一番近道になります。
我流で続けちゃうと間違った癖がついて、気づいて修正しようにも、時間がかかってしまうかもしれません。
だから最初クロールをマスターするうちは、なにしら指導を受けたほうがいいです、癖がついてから直すのは二度手間になっちゃいます。
急がば回れ、まずはバタ足から!
まずはバタ足ができなければクロールは泳げません。
「バタ足くらいできるよ!」って思うでしょ?でも、ただ水中で足をバタバタさせるのはバタ足じゃないんです…
しっかりと体を水平に保って、泳ぐのと同じくらいスムーズに進むことを目標に、まずバタ足を習得しましょう!
意外かもしれないけど、プールでクロールを泳いでいる人や、トライアスロンをすでにやっている人でも見てみると、意外とバタ足ができていない人が多いんです。
バタ足は基本中の基本ですが、できるか、できないかでは泳ぐスピードも全く変わってしまうので「急がば回れ」で一歩一歩身につけて、クロールをできるようにしましょう。
ストリームラインを意識する
ストリームラインとは水の中で体を真っ直ぐにした姿勢のこと。
水中では地面と体が水平になっているのが一番水の抵抗が少なくなります。
ストリームラインはクロールに限らず、バタ足でも重要で、第一に身につける必要があります。
手足を動かしても進まない人はこのストリームラインができていないので、習得し直す必要があります。
逆にストリームラインを身につければ、クロールで何回も水を掻かなくても、何回もバタ足をしなくてもスムーズに泳ぐことができるようになるんです!
ストリームラインを作る上で覚えておきたいのは、水中では水面から出た方とは反対側が沈むようになっているということ。
ということは、バタ足をする時に手はビート板で水面に出るから、反対側の脚が沈むことになりますよね?
脚が沈むということは体が斜めになっているということなので、その状態でバタ足をしても全く前に進みません…
そのため重心を意識的に移動して水平を保つ必要がありますが、重心の意識については次項に続きます。
体の重心を操れるようにする
人間の重心はお腹辺りにありますが、水中で姿勢を水平に保つためには前重心を意識すつことが大切です。
といっても実際に体の重心を移動させることはできないので、重心を移動させるイメージを身につけることが、泳ぐにあたって大切になってきます。
僕が重心を意識する時に使った方法は、体の中にボールがあると思うこと。
まずビート板を持たず、バタ足もしないで壁を蹴って「伸び」をします。
そして伸びている間、体の重心を前に傾けてボールをコロコロと、指先の方に転がすイメージをしてみましょう。
そうすると前重心になり、手が沈むことでお尻が水面から出て、脚が上がってきます。これがストリームラインです。
何度か伸びを繰り返し、イメージを掴んでください。
やっている事は地味ですが、本当に、本当に大切なことなのでボールを転がすイメージをしっかりとつかめるように頑張りましょう!
脚が浮くイメージをどうしても掴めない場合、ウェットスーツのように浮く水着もあるので、イメージを掴むために買ってみてもいいと思います。
ただ「泳ぎを覚える」ためなら使い続けては力にならないので、あくまで補助として使いましょうね。
バタ足をしてみよう
ボールを転がして重心を移動させるイメージを掴んだら、次にビート板を使ってバタ足ををしてみましょう。
呼吸するために頭を出すと脚は沈むので、最初は息継ぎはせず、顔は水中でいいと思います。
まず壁を蹴って「伸び」をします。
この時ストリームラインを意識して、脚が浮いてきたのを感じてからバタ足をはじめます。
強く、沢山蹴らなくていいので、テンポよくバタ足をしましょう。
バタ足は膝を曲げてするのではなく、脚の付け根を動かして脚全体を動かすようにしましょう。
上手く出来ていれば太ももの裏や、お尻の筋肉が痛くなると思います。
そしてバタ足をしている間、お尻の位置の意識しましょう。
ストリームラインができてしっかりと脚が浮いていると、お尻の頂点が水面から出ます。
水面から出ればなんとなく分かると思いますが、お尻を水面に出し続け泳ぐには常に重心のボールを前に転がしておいて、前重心を心がける必要があります。
この事について、僕は水泳を教わったコーチから「お腹に力を入れてお尻を上げる」と指導されていましたが、正直お腹に力を入れてもお尻が浮かず、よくわかりませんでしたが「お腹に力を入れる意識」も試してみてください。
お尻を水面から出してバタ足ができるかどうかが、今後クロール習得の上で大切になってくるので、できるようになるまで頑張りましょう!
この時、手の動きとか、呼吸とかはひとまずおいておいて「バタ足を正しい姿勢でする」ことだけに集中すれば大丈夫。
でも1日、2日じゃできないと思います。
僕は週3回通って、2週間かかりました。
遠回りだと当初思ったこともありましたが、今思うと1歩ずつ、ゆっくり習得してきたことが正解だと思っていますし、総指導してくれたコー日に感謝しています。
退屈かもしれませんが、ここが一番の頑張りどころです!
呼吸の基本
水泳は鼻で吐いて、口で呼吸が基本です。
この呼吸も泳げない人にとってはとても難しい問題で「どのタイミングで息を吐き始めたらいいのか」「どのくらいの量吐いたらいいのか」がわからないと思います。
息の吐き始めは水中に顔を沈める前。これはバタ足でもクロールでも同じです。
息を吐きながら顔を水中に入れて、息を吐きます。
吐く量ですが、個人差があり、感覚的なものでもあるので「このくらい」とは言えまえんが、肺の容量の半分以上は吐く必要があります。僕は7割吐くイメージで落ち着きました。
普段の呼吸では、呼吸するたびに半分も吐いていないと思いますが、泳いでいる最中は呼吸の頻度が減るので、その分多く酸素をを取り込まなくてはいけません。
それと呼吸の基本として、吐かないと入ってきません。
呼吸は気圧差同じで、息を吐いて肺を減圧した分、スムーズに酸素が取り込まれます。
初心者が陥りがちなのが、泳ぐのに必死になってしまい息を吐くのを忘れてしまって、息を吸うだけになって過呼吸になり、息苦しくなってしまう現象です。
なので最初は「吸う」ことではなく「吐く」ことに意識を集中させてみてください。
吐けば意識しなくても勝手に酸素は入ってきますからね。
ビート板を使いながら呼吸してみましょう!
ビート板を使いながら呼吸をしてみましょう。
頭を入れる寸前から鼻で息を吐き始めて、半分以上、苦しくなりすぎないところまで吐きます。
吐き方は一度に吐くのではなく、入水から息継ぎの顔を上げるまでの間に、平均的に吐くのがいいと思います。
顔を上げるときは「パッ」と最後、息を吐きます。
こうすると口の周りの水が飛ばされ、水が口に入りにくくなります。
普段の生活と水中の呼吸は全く別物なので、どうしても最初は息を吐いたり、吸ったりする塩梅がわからず苦しくなってしまったり、ぎこちなくなってしまうと思いますが、慣れるしかないので、自分のちょうどいいところを加減して探ってみてください。
呼吸は普段の生活でもイメージトレーニングとして行えるので、気が向いたら鼻で息を吐いて口で吸う練習も効果的です。
クロールを覚えるうえで一番頑張るのは今回のバタ足!
冒頭でも話しましたが、ストリームラインができて、きちんとバタ足ができれば沢山掻かなくても、沢山バタ足しなくてもスムーズに泳ぐことができます。
次回は腕の動きになりますが、まずは頑張ってバタ足をしっかりと習得しましょう!